サマリー
◆2012年9月の生産指数は、前月比▲4.1%と3ヶ月連続の低下となり、市場コンセンサス(同▲3.1%)を下回った。生産の基調を捉えるために3ヶ月移動平均で見ても、6ヶ月連続のマイナスとなっており、生産は低下傾向にある。在庫指数は前月比▲0.9%と2ヶ月連続で減少したものの、出荷が同▲4.4%と大幅に減少したことから、在庫率指数は同+4.2%と2ヶ月ぶりの上昇となった。
◆9月の生産を業種別に見ると、全16業種中、15業種が前月から減少しており、全体的に弱い結果となった。今月、生産への押し下げ寄与が大きかったのは輸送機械、一般機械、鉄鋼である。輸送機械は前月比▲12.6%と5ヶ月連続で低下して全体を押し下げた。これまで自動車販売を押し上げてきたエコカー補助金は2012年9月21日を以て受付を終了し、その影響で国内の自動車販売が大きく落ち込んだことを受けて、輸送機械では生産を大きく減少させた。
◆生産の先行きに関しては、輸送機械が、エコカー補助金終了による影響から低水準で推移するとみられること、海外経済の減速を受け輸出向け出荷が低調に推移するとみられることから、当面弱い動きが続く公算。生産の持ち直しには、海外景気の回復による輸出の増加がカギとなるが、輸出の足を引っ張っている欧州経済の回復は来年以降にずれ込むと想定しているため、生産の本格回復も年明け以降となる見込み。また、日中関係悪化の影響による、中国向け輸出の減少が生産を下押しするリスクには当面注意が必要である。
◆9月の生産を業種別に見ると、全16業種中、15業種が前月から減少しており、全体的に弱い結果となった。今月、生産への押し下げ寄与が大きかったのは輸送機械、一般機械、鉄鋼である。輸送機械は前月比▲12.6%と5ヶ月連続で低下して全体を押し下げた。これまで自動車販売を押し上げてきたエコカー補助金は2012年9月21日を以て受付を終了し、その影響で国内の自動車販売が大きく落ち込んだことを受けて、輸送機械では生産を大きく減少させた。
◆生産の先行きに関しては、輸送機械が、エコカー補助金終了による影響から低水準で推移するとみられること、海外経済の減速を受け輸出向け出荷が低調に推移するとみられることから、当面弱い動きが続く公算。生産の持ち直しには、海外景気の回復による輸出の増加がカギとなるが、輸出の足を引っ張っている欧州経済の回復は来年以降にずれ込むと想定しているため、生産の本格回復も年明け以降となる見込み。また、日中関係悪化の影響による、中国向け輸出の減少が生産を下押しするリスクには当面注意が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日