8月機械受注

製造業を中心に弱含み基調が続く

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2012年10月11日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆【概況】受注金額は低水準で推移:8月の機械受注では、国内設備投資の先行指標である民需(除く船舶・電力)は、前月比▲3.3%と3ヶ月ぶりの減少となった。市場コンセンサス(同▲2.3%)をやや下回る結果であったが、ほぼ想定通りの悪化であったといえる。3ヶ月移動平均で見ると4ヶ月ぶりの増加となったものの、受注金額は低水準で推移しており、機械受注は引き続き弱含み基調が続いている。

◆【受注の主要内訳】反動減もあり製造業が大幅減:業種別の内訳を見ると、製造業は前月比▲15.1%と大幅減となる一方、非製造業(船舶・電力を除く)は同+3.6%となった。製造業は15業種中11業種で前月から減少、非製造業は12業種中5業種が減少となっており、製造業向けの減少が押し下げ要因となった。外需は前月比▲14.7%となり、主要輸出先である中国の景気減速を主因に、減速感を強める結果となった。

◆【今後の見通し】7-9月期は前期比ゼロ近傍での着地となる見込み:6月実績公表時に内閣府が公表した7-9月期見通しでは、民需(除く船舶・電力)は前期比▲1.2%と2四半期連続の減少を見込んでいるが、これは9月に前月比▲4.6%の減少でも達成可能な水準であり、達成のハードルはそれほど高くない。また、7-9月期が前期比増加となるためには、同▲0.9%の減少でよく、こちらも十分達成可能な水準。全体の基調としては弱含む中、四半期ベースで見れば、7-9月期は前期比ゼロ近傍での着地となるとみられる。

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