8月消費者物価

緩やかなデフレ傾向が続く

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2012年09月28日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2012年8月の全国CPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比▲0.3%となり、下落幅が前月(同▲0.3%)と同一であった。内訳を見ても、各項目とも前月から大きな変化はなかった。市況要因を除いた基調的な物価動向を表す「食料(除く酒類)及びエネルギーを除く総合(以下、コアコアCPI)」は前年比▲0.5%と下落幅が縮小したが、季節調整値で見ると前月比▲0.1%となっており、物価は緩やかなデフレ傾向が続いている。

◆先行きについては、全国コアCPIは当面、ゼロ%付近で推移することとなるだろう。物価に先行するGDPギャップは横ばい圏内で推移している。足下では景気に減速感がみられることもあり、急速なGDPギャップの縮小は見込めず、需給要因による物価上昇圧力は弱い状況が続く。一方、国際商品市況の上昇を背景としたコストプッシュによる物価上昇が想定されるが、夏場上昇傾向にあった資源価格は落ち着きを見せており、足下の水準で推移すれば、前年比ベースでの押し上げは減衰していく公算。

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