サマリー
◆【概況】米国向けが下支えとなるなか、欧州、アジア向けが減速:2012年8月の貿易統計では、輸出金額が前年比▲5.8%と3ヶ月連続のマイナスとなり、市場コンセンサス(同▲7.5%)を上回った。ただし、輸出金額の季節調整値は前月比▲2.1%と4ヶ月連続の減少となっており、輸出の悪化傾向が続いていることを確認する内容であった。輸出数量指数(季節調整値、大和総研による試算値)を地域別にみると、アジア向け、EU向けが前月比減少となったものの、米国向けが前月の反動もあり増加したことから、全世界向けでは前月比+0.3%とわずかに増加した。均してみれば、米国向けが下支えとなるなか、欧州向け、アジア向け輸出の減速により、輸出全体としては弱含むという構図が続いている。
◆【今後の見通し】欧州の景気動向がカギ:輸出は減速傾向が続いているものの、メインシナリオとしては2012年7-9月期を底に、10-12月期以降徐々に回復に向かうと考えている。これは、緩やかな景気回復が続く米国向け輸出が底堅く推移することに加え、輸出の足を引っ張っている欧州や、中国を中心としたアジアの景気が回復に向かうと考えるためである。輸出の減速を受け国内の生産も目先減速が見込まれているが、輸出が持ち直しに向かえば、底割れは回避される見込み。ただし、欧州の景気先行きは依然不透明感が強く、下振れリスクには注意が必要だろう。
◆【今後の見通し】欧州の景気動向がカギ:輸出は減速傾向が続いているものの、メインシナリオとしては2012年7-9月期を底に、10-12月期以降徐々に回復に向かうと考えている。これは、緩やかな景気回復が続く米国向け輸出が底堅く推移することに加え、輸出の足を引っ張っている欧州や、中国を中心としたアジアの景気が回復に向かうと考えるためである。輸出の減速を受け国内の生産も目先減速が見込まれているが、輸出が持ち直しに向かえば、底割れは回避される見込み。ただし、欧州の景気先行きは依然不透明感が強く、下振れリスクには注意が必要だろう。
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