サマリー
◆物価は横ばいの基調: 2012年4月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.2%と、市場コンセンサス(+0.1%)を若干上回った。この背景には、テレビ価格上昇の特殊要因がある。4月の全国コアコアCPI(除く食料(除酒類)およびエネルギー、季節調整値)は、このところ横ばいの推移となっており、物価は横ばいの基調にあると考えられる。
◆財・サービス別動向: 耐久財の押し下げ幅が縮小した。テレビ価格が前月から大きく伸び、寄与度でも上昇したことが背景にある。他方で、原油価格に落ち着きが見られたことから、エネルギー価格の押し上げ幅が縮小した。その他、生鮮肉、乳製品、鶏卵などの食品価格が下落したことを受け、非耐久財の押し上げ幅は縮小した。
◆今後の見通し: 東京都区部の動きから、5月の全国コアCPIは前年比+0.1%程度になると予想している。7月に予想されている、東京電力管内の家庭向け電力料金値上げが物価へ与える影響は、軽微に留まるだろう。先月発表された日本銀行の展望レポートでは、2012年度、2013年度の物価見通しが前年比+0.3%(前回は同+0.1%)、同0.7%(同+0.5%)に上方修正された。これに対し、当社は需給の改善にまだ時間を要すると考えていることから、2012年度に前年度比+0.1%、2013年度に同+0.2%としている。金融政策に関しては、少なくとも、2014年度いっぱい政策金利が据え置かれるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
学生の「103万円の壁」撤廃による就業調整解消は実現可能で経済効果も大きい
学生61万人の就業調整解消で個人消費は最大0.3兆円増の可能性
2024年11月11日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算
基礎控除を75万円引上げると約7.3兆円の減税
2024年11月05日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第2版)
「基礎控除引上げ+給与所得控除上限引下げ案」を検証
2024年11月08日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
-
トランプ2.0で激変する米国ESG投資政策
年金制度におけるESG投資の禁止、ESG関連開示制度の撤廃など
2024年11月07日
学生の「103万円の壁」撤廃による就業調整解消は実現可能で経済効果も大きい
学生61万人の就業調整解消で個人消費は最大0.3兆円増の可能性
2024年11月11日
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算
基礎控除を75万円引上げると約7.3兆円の減税
2024年11月05日
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第2版)
「基礎控除引上げ+給与所得控除上限引下げ案」を検証
2024年11月08日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
トランプ2.0で激変する米国ESG投資政策
年金制度におけるESG投資の禁止、ESG関連開示制度の撤廃など
2024年11月07日