欧州経済見通し 引き続きインフレに警戒

猛暑で高まるインフレ上振れリスク

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2026年08月25日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆4-6月期に落ち込んだ家計・企業の景況感は改善が続いており、7-9月期の景気拡大の持続を示唆する。4-6月期の落ち込みが大きかった消費者、サービス業の持ち直しに加えて、製造業ではAI関連や防衛関連での需要増加が景況感の改善要因として指摘されており、生産の下支えとなることが期待される。

◆ユーロ圏経済の先行きを見通す上での最大のポイントとみられるインフレ率については、引き続き上振れリスクが大きい。原油価格はピークに比べて低下しているものの、ガソリン小売価格は高止まりが続いており、これを主因にインフレ率の上昇ペース加速が見込まれる。

◆加えて、猛暑による水力発電の出力低下と、一部の原子力発電所の稼働停止によって、欧州ではガス火力発電所の稼働率を上げざるを得ない状況となり、それが天然ガス価格の上昇の一因になっているとみられる。現状、ユーロ圏のガスの貯蔵率は低く、ガス需給の引き締まりによる価格上昇圧力は、冬季にさらに強まる可能性がある。

◆英国の4-6月期の実質GDP成長率は前期比+0.4%となり、前期の高い成長率からはペースが鈍化しつつも、底堅い成長が続いた。需要項目別では、個人消費、総固定資本形成が増加しており、内需の拡大がGDPを押し上げた。

◆底堅い成長が続く半面、労働市場の悪化傾向が続いていることが英国経済における懸念事項である。企業景況感が改善する中でも、コスト高を背景に雇用の削減傾向が続いており、雇用環境は先行きも厳しい状況が続くと見込まれる。一方、新政権への期待感から消費者マインドは大きく改善しており、雇用・所得環境が弱含む中でも個人消費の増加をサポートすると見込まれる。

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