サマリー
◆ふるさと納税をめぐっては、募集費用の規制強化を背景に、ポータルサイト運営事業者への支払を含む委託費の見直しに動く自治体が現れている。その前提となる「事務費」の中身は必ずしも明確ではない。本稿では、総務省の現況調査結果や自治体の募集要領等を基に、寄附受付、返礼品管理、証明書発行、コールセンター、システム運営など、ふるさと納税に伴う業務を整理し、事務費の構造を分析した。
◆団体別データを分析すると、実費である返礼品調達費や送付費だけでなく、事務費もまた寄附金額や件数に応じて増減する性格を持つことが確認できた。事務費はふるさと納税に関わる人件費をはじめとする一般管理費に相当し、その多くは本来固定的な費用である。しかし規模の大小にかかわらず寄附金額に対する比率はほぼ一定で、変動費としての性格が強い。その業務の多くを外部に委ねているためである。
◆受託事業者からみれば、収益は寄附金額に連動するレベニューシェアで、費用は体制に固定される。この組み合わせが利益の源泉であり、需要変動リスクでもある。裏を返せば、自治体は事業リスクを外部に移転している。直営を検討する場合、変動費である事務費を再び固定化し、職員配置の制約に加え、寄附金額が想定を下回った場合の事業リスクを自ら引き受けることになる。また、外注の事務費には、受託事業者の利益だけでなく間接費(オフィス使用料や総務部門経費)も含まれる。その判断には、利益は見込まないにせよ直営側の間接費まで含めた公平な比較が欠かせない。
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