2026年09月29日
サマリー
◆男性の健康課題に対する認識が広がりつつある。男性は、女性と比べて飲酒や喫煙の習慣を持つ割合が大きく、有償労働時間が長い。仕事に関連する心理的ストレスを抱えやすく、孤独・孤立の問題も深刻である。もっとも、これらの背景には、男性に「男らしさ」を求める根強い規範がある。男性の健康課題は、社会的・構造的な問題として理解される必要がある。
◆英国では、2025年に男性の健康課題に対応する10年戦略が公表された。同戦略は、男性の健康課題を社会的格差や不平等に関連する構造的な課題として位置づけている。医療サービスへのアクセス改善、健康的な労働条件の整備、社会規範への対処など、包括的な取組みが推進される。同時に、「男性」を、その内部に多様な人々を含む集団と捉え、特にリスクの高いサブ集団に対する重点的な取組みも行われる。
◆男性中心的な企業文化は、女性やマイノリティを意思決定から排除する一方、男性にも長時間労働への適応や稼得責任を課し、その心身の健康を蝕んできた。男性の健康課題への対応を、個人の行動や習慣の問題のみに帰すことはできない。日本企業は、男性に不健康な働き方を要求する制度や慣行、規範を変えるよう、職場環境の改善に向けた取組みを推進し続ける必要がある。
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