サマリー
◆ユーロ圏の景況感指数は2023年9月も低下し、悪化基調に歯止めが掛からない。企業部門の悪化トレンドが続いていることに加えて、2022年後半から改善が続いてきた消費者マインドについても、このところ改善が頭打ちとなっている。
◆消費者にとって大きな懸念材料であるインフレについては、着実に上昇ペースが鈍化している。だが一方、これまでインフレ率の鈍化と同時に低下してきた家計の期待インフレは足元で再び上昇に転じており、それが消費者マインドの改善が止まる一因になっている可能性がある。
◆川上価格の下落に遅行してインフレ率は先行きも鈍化が続く可能性が高く、実質所得の増加を背景とした個人消費の増加が景気拡大を下支えするという見通しについては、現時点で修正する必要はないと思われる。だが一方、消費者マインドの改善が鈍れば、個人消費の拡大ペースは所得の増加に比べて緩やかなものになるおそれがある。欧州経済が本格回復に向かうためには、消費者マインドが再び改善基調に復することが、必要となる。
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