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欧州経済見通し インフレの足音

一時的な上昇・景気足踏みか、それともスタグフレーションの前兆か

2021年09月21日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 近藤 智也

サマリー

◆新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染状況が良くも悪くもならない中で、欧州各国は、経済の正常化を進めている。引き続き、国によって様相が異なっており、コロナ感染の先行きは不透明といえる。ワクチン接種の対象範囲の拡大や追加接種が始まると同時に、イタリアのように、ワクチン接種等の証明書の携帯・提示を義務付ける動きも出てきた。同様の動きが、欧州全体に広がるか注目されよう。

◆コロナ感染の影響も受けた供給サイドのボトルネックにより、生産活動は停滞し、価格も上昇している。消費活動を含めて冴えないデータも多い。短期的には、年末にかけて景気減速とインフレ率上昇が共存するとみられる。ECB等が想定するように、インフレ圧力の上昇は一時的で2022年に入って鈍化するか、見極める必要があろう。

◆仮に“一時的”が想定以上に長期化してインフレ率上昇が持続した場合、マインド悪化を通じて実体経済の減速に拍車をかけて、いわゆるスタグフレーションに陥るリスクがある。現時点では、マインドの悪化は限定的で、高水準の中での調整という範囲である。特に企業マインドは堅調であり、消費者マインドの低下を注視すべきだろう。

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