サマリー
◆ギリシャでは、欧州連合(EU)が示した財政緊縮策の受け入れの是非を問う国民投票が7月5日に投開票された。欧州のみならず世界中が注目した結果は反対(No)が61.3%と賛成(Yes)の38.7%を大きく上回り過半数に達した。
◆今回の国民投票の結果を受けて、7月7日(火)にユーログループは、今後のギリシャへの支援策を協議する緊急会合を予定している。今回の国民投票の結果を受けてユーログループのダイセルブルーム議長は、“この結果はギリシャの未来にとって非常に残念なものとなった”と発言した。
◆EU首脳の多くは今回の国民投票でNoの場合には交渉中止を明言しており、今後の金融支援プログラムが合意に達するのは難しいことが予想される。最終的に7日に(ユーログループ側からの)政治的な判断がなければ、ギリシャの全ての債務不履行(デフォルト)およびユーロ離脱が現実味を帯びる。
◆シティの市場関係者の多くは先週から(国民投票で)賛成多数を予測していたため、その反動から欧州の金融市場は大荒れとなることが予想される。既にギリシャ危機というよりは、未曽有のユーロ危機に突入した感も否めず、EU首脳も慎重な対応が求められるといえるだろう。
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