サマリー
◆2013年10月9日、日米欧など約140カ国・地域の金融監督当局で構成される保険監督者国際機構(IAIS:International Association of Insurance Supervisors)は、国際的に活動する保険グループ(IAIGs:Internationally Active Insurance Groups)の経営健全性を確保するため、リスクベースのグローバルに統一された資本基準(ICS: Insurance Capital Standard)を新たに策定することを発表した。策定期限となる2016年以降、監督当局とIAIGsによるテストや微調整を経て、全面的な導入が2019年に予定されている。
◆今回の新たに発表されたICSの枠組みは、IAISが2010年よりIAIGsを対象として策定していた、「国際的に活動する保険会社グループを対象とした、共通の保険監督枠組み(Common Frame、通称ComFrame)」の中に含まれることとなった。資本規制の対象となるIAIGsの選定には、監督当局にある程度の裁量余地が付与され約50社程度に絞られるものとしている。ただしICSの概要や、現在の各国の資本規制(EUのソルベンシーⅡ等)と比較してどのようになるかは全くの白紙の段階といえる。
◆保険業界の世界的なシンクタンクであるジュネーブ協会は、IAISが発表した導入までの時間枠の短さについては否定的な見解を示している。これまでの経緯でもIAISは国際的に統一した資本規制に関しては消極的なスタンスを示していただけに、具体的な規制部分が未着手の現段階で、2019年までに予定しているスケジュールが順調に進むかは懐疑的といえる。各国のソルベンシーⅡの導入も難航し、大幅に遅れている現状を鑑みると、実施するとの掛け声にとどまることなく、AIG問題の教訓を国際統一規制の形に変える悲願の早期達成に期待したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 足元堅調もリスクは下向き
長引くインフレリスクと強まる金利上昇圧力
2026年09月17日
-
欧州経済見通し 引き続きインフレに警戒
猛暑で高まるインフレ上振れリスク
2026年08月25日
-
4-6月期ユーロ圏GDP 原油高でも底堅く成長
実質GDP成長率は前期比+0.4%と市場予想から上振れ
2026年07月31日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

