サマリー
◆ユーロ圏の2013年1-3月期のGDP成長率は前期比-0.2%と発表され、これで6四半期連続のマイナス成長となった。10-12月と比較すると、1-3月は輸出や鉱工業生産に持ち直しの動きが見られるが、企業景況感は3、4月に悪化。これまで相対的に堅調だったドイツの企業景況感も腰折れし、先行き不透明感が強い。
◆ユーロ圏の景気低迷長期化を懸念して金融政策が動いた。ECB(欧州中央銀行)は5月に政策金利を0.25%引き下げ、0.50%とした。またユーロ圏の経済政策もこれまでの財政健全化を最優先する方針から、経済成長や雇用創出も重視する方針に転換しつつあると見受けられる。ユーロ圏の成長率予想を2013年はこれまでの-0.3%から-0.5%に下方修正する一方、2014年は+0.9%とプラス成長に復帰するとの見方を維持する。
◆英国の2013年1-3月期のGDP成長率は前期比+0.3%と、予想比強めの結果となった。消費主導の景気回復の鍵を握ると考えられる住宅市場動向では、不動産取引件数の増加傾向が見られ、また住宅販売業者の住宅価格見通しも上昇に転じてきている。英国の2013年の成長率予想をこれまでの+0.4%から+0.6%に上方修正した。
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