サマリー
◆イタリアの総選挙を受け、ユーロが下落し、イタリア国債が売られている。政局の落ち着きどころが見えない中、市場の不安定性はしばらく継続しやすいとみざるを得ない。
◆ただし、選挙結果が最悪だったわけではない。最悪はベルルスコーニ独裁であるが、モンティ独裁もそれに劣らず悪いシナリオである。しかしそれらは避けられた。
◆緊縮財政の放棄は困るが、その修正はむしろ望ましい。どのような枠組みになるにせよ、次期政権がモンティ前首相よりはベルルスコーニ元首相がましとみた民意を無視することはできず、緊縮財政政策の修正は必至であろうし、それを「後戻り」としてネガティブに受け止める必要はない。
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