サマリー
◆ASEAN5(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)の2026年4-6月期の実質民間消費を見ると、ベトナムとマレーシアが好調な伸びを維持する一方、フィリピンは減速感が強まっている。また、インドネシアでは、政府の景気刺激策が下支えとなり、実質民間消費は前年比+3%程度の伸びを維持している。タイでも、足元で消費の減速がみられるものの、消費喚起策が一定の下支え要因となっている。このように、ASEAN域内の消費動向には温度差がみられる。
◆ベトナムとマレーシアでは、好調な外需が雇用・所得環境の改善につながっているほか、マレーシアでは天然ガスの輸出価格上昇による交易利得が国民所得を押し上げ、消費を下支えしている。他方、消費の減速が最も顕著であるのがフィリピンである。高インフレ・高金利環境による家計負担の増加や、公共投資執行の遅れに伴う雇用環境の悪化が背景にある。インドネシアとタイでは、消費に力強さは欠くものの、景気刺激策が下支えしている。
◆2026年後半から2027年初頭にかけての見通しでは、政府と国家銀行が一丸となって成長重視姿勢を維持するベトナムと、世界的な半導体需要拡大の恩恵を受けるマレーシアでは、好調な個人消費が引き続き期待できる。一方、その他の3カ国については、政策支援の持続性、実質所得、金融環境、家計債務等を踏まえると、個人消費はインドネシア、タイ、フィリピンの順に相対的に安定的とみられる。
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