サマリー
◆中国の若年層(16歳~24歳)の高失業率問題には様々な構造的な要因がある。例えば、熾烈な競争社会に疲れ果てた若年層の一部がやる気を失い、就職、結婚・出産をあきらめ、自動車などの高額消費や住宅購入に興味を示さなくなる、いわゆる「躺平(タンピン)族=寝そべり族」の増加が社会問題となっている。より深刻なのが、急速に高学歴化する若年層の就職希望先と実際の雇用のミスマッチの問題だ。さらに、中国の若年層はやっとの思いで就業しても、上記ミスマッチを背景に離職率が高いことも特徴のひとつとなっている。このほか、若年層は法律・制度面の問題で、リストラの対象になりやすいという問題がある。
◆25歳~29歳の失業率が上昇していることも気掛かりだ。16歳~24歳の高失業率問題が解決・改善せずに持ち越されている可能性が高い。長期間の無職状態や非正規雇用が常態化し、あるいは正規雇用で就業してもその後離職するなどして雇用が不安定化すれば、賃金、キャリア、結婚・出産など人生全般に長期的な影響を及ぼす懸念がある。中国版「就職氷河期」への懸念だ。25歳~29歳といえば、中国の住宅実需のボリュームゾーンを形成する30歳~34歳の一歩手前の年齢層である。少子化対策にせよ、不動産不況からの脱却にせよ、中国共産党・政府は若年層の高失業率問題の改善に向けて待ったなしの対応が求められているわけだが、決定打はない。結局のところ、若年層に過度に不利な法律・制度を見直す一方で、リスキリングを推進するというのが現実的な路線になるのではないだろうか。
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