サマリー
◆2026年5月14日~15日に米中首脳会談が行われた。習近平国家主席は、「トゥキディデスの罠」に言及し、「米中両国はそれを乗り越えることができるか」と問うた。筆者は、かなり挑発的な発言だと感じた。「勃興する中国と衰退する米国」という構図を見て取ったからだ。習氏は米中両国の関係について、「建設的戦略的安定関係」を提唱し、「衝突」ではなく「安定」を求めるとしているが、米国、特に議会の中国に対する警戒感や脅威論は否応なく高まることになろう。
◆総じてみれば、今回のトランプ氏の中国訪問では友好ムードが演出され、米中関係は改善に向かっているようにみえる。ただし、米中双方の発表内容について、どちらか一方にしか言及がない部分が多いことには注意が必要であろう。例えば、中国産レアアースのサプライチェーンの問題や、中国による米国産農産品の輸入増加の具体的な措置についてである。詳細をこれから詰めていくということであろうが、正式決定に向けた思惑の違いが残っている可能性がある。
◆米国は2026年11月に中間選挙を控える。トランプ氏が対中強硬姿勢を見せた方が選挙に有利だと踏めば、いつ何時状況が流動化してもおかしくない。米中関係の行方については、まだ紆余曲折が続きそうだ。
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