サマリー
◆2026年3月の中国飲食業景気指数は39.8%と、統計の発表が開始された2024年7月以来で、最低となった。同指数は2025年7月以降、急速に悪化したが、その背景は、①消費者が節約志向を高める中での中国共産党・政府による「倹約令」の発動、②飲食業界とフードデリバリープラットフォームの「内巻」(破滅的な価格競争)、などである。
◆中国飲食業景気指数を大型店と中小型店に分けると、異なる様相が浮かび上がる。2026年3月は大型店が52.7%と50%を上回ったのに対して、中小型店は33.3%と不振を極めた。背景として指摘できるのは、①「内巻」の悪影響が、価格交渉力の弱い中小型店により濃く現れていること、②ブランド力やキャンペーンによる集客などで優位に立つ大型店の景気指数は、外食需要が高まる年末や大型連休を含む月に上振れする傾向が強い一方で、中小型店はこうした需要の取り込みに苦戦していること、などである。
◆「内巻」は是正されるべきであるが、消費者の節約志向は根本的には変わらず、飲食業の優勝劣敗は加速し、中国政府にとって失業者対策の優先度が高まることになろう。今後、政府に求められるのは淘汰される企業の延命を図ることではなく、失業者に対するセーフティーネットの強化とリスキリングの推進である。中でもリスキリングの重要性はいっそう高まることになろう。
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