中国:関税引き下げを受け、見通しを上方修正

25年は3.9%→4.8%、26年は4.0%→4.2%に上方修正

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2025年05月23日

サマリー

◆2025年5月7日、中国人民銀行(中央銀行)は金融緩和のパッケージを発表した。5月20日には、貸出金利の参照レートであるLPR1年物を3.10%→3.00%に、住宅ローン金利の参照レートであるLPR5年物を3.60%→3.50%に引き下げた。LPRの引き下げは2024年10月(幅は0.25%pt)以来であるが、幅は0.10%ptと小幅にとどまった。これは、米国の利下げが先送りとなる中で、人民銀行が大幅な利下げに踏み切れば、元安が大きく進展する懸念が高まることを嫌気したのであろう。

◆2025年5月14日、米中はそれぞれに対する関税率を115%引き下げた。大和総研は、米国が中国からの全輸入に対して、累計145%の追加関税を賦課した場合、中国の実質GDPは2.91%押し下げられると試算していたが、累計30%の追加関税では1.10%の押し下げに限定されることになる。当然、これは中国経済にとって朗報だ。大和総研は2025年の中国の実質GDP成長率を前年比3.9%(以下、変化率は前年比)と予想していたが、4.8%に上方修正をする。同様に2026年は4.0%から4.2%に引き上げた。

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