サマリー
◆2025年12月8日の中国共産党中央政治局会議と、直後に開催された中央経済工作会議は、2026年の経済政策運営に関する8項目の重点を発表した。2025年に続き2026年も内需(消費)拡大が最優先されることが明らかになった。しかし、前途は多難である。消費財の買い替え促進のための補助金政策は、2024年9月以降、政策効果が発現したが、既に1年以上が経過し、効果一巡と反動減が懸念されている。新たに対象を増やすにしても、大型家電や通信機器、自動車など主なものは既に対象となっており、追加的な効果は限定的であろう。
◆中央経済工作会議では、2025年に続き2026年も、さらに強化した積極的財政政策と適度に緩和的な金融政策を継続することが発表された。2025年(予算)は財政赤字の拡大と各種特別国債発行の純増分は合計2.9兆元、GDP比は2.1%となった。2026年も同様の規模感の財政出動が期待されよう。金融政策について、デフレ下で実質金利が高止まりしていることを考えると、利下げ余地は残されている。ただし、金利先安観の継続は、住宅購入希望者の決断を先送りにさせ、市場の底入れ時期がさらに先延ばしになるリスクを高めることに留意したい。
◆2026年の政府成長率目標は来年3月の第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議で発表される。多くのエコノミストは2025年と同じ5%前後と予想するが、大和総研は4.5%前後に下げる方が、健全だと考えている。2026年は、家電・自動車の需要先食い政策のツケを払う必要があり、高めの目標設定をすると、さらに無理を重ねることになるためだ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:26年2Qは4.3%成長、内需が急減速
4月~6月は政府成長率目標の下限を下回る
2026年07月16日
-
中国:内需テコ入れに利下げは逆効果も
4~6月は4.3%成長に減速。預金準備率引き下げ、財政出動が有効か
2026年07月15日
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
最新のレポート・コラム
-
中間配当の導入は株価を動かすか
開示直後は好感されるも、効果のインパクトや持続力は弱い
2026年07月17日
-
経済産業省「公正な買収の在り方に関する研究会」による企業買収行動指針のポイント・Q&A(案)
指針の趣旨を明確化~「企業価値」や「望ましい買収」とは?~
2026年07月17日
-
「トランプ口座」始動、未来の株主多数輩出
口座開設、「収益獲得」ではなく「次世代投資家との接点」
2026年07月17日
-
データサイエンスを踏まえた年金数理理論の人的資本分析への発展可能性
新たな退職率算定方法による退職要因分析への応用
2026年07月17日
-
AI時代の競争力を生むのは誰か? ~シリコンバレーとシアトルが示す「人材エコシステム」の力~
2026年07月17日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

