サマリー
◆新型コロナウイルス感染症の新規感染者が急増する中、中国は12月以降、「ゼロコロナ」政策から実質的な「ウィズコロナ」政策に転換した。防疫体制の緩和により感染者が急増しているとみられ、このような地域では市民が外出を控え、経済活動が停滞している。10月~12月の実質GDP成長率は前年同期比1.9%程度(以下、変化率は前年同期比、前年比)にとどまり、2022年の実質GDP成長率は2.7%程度となろう。
◆2023年の中国経済見通しは、感染拡大を抑制できるか否か、「ウィズコロナ」政策を貫徹できるかどうかに大きく左右される。大和総研は2023年の実質GDP成長率を4.5%程度と想定しているが、「ウィズコロナ」政策を貫徹できれば、過去3年分のリベンジ消費を牽引役に6%超の実質成長も期待できる。一方で、死亡者の急増などで「ゼロコロナ」政策への揺り戻しが起きれば3%成長もあり得る。ただし、2年連続の低成長では、国民生活も政治ももたないことを考えると、経済成長が重視される可能性が高く、アップサイドリスクに留意する必要があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
中国:不動産問題が経済・金融リスクに
経済工作会議、2023年は成長・雇用・物価の3つの安定を重視
2022年12月19日
-
中国経済見通し:上海都市封鎖の二の舞か?
広東省で感染者が急増する中での「ゼロコロナ」政策の行きすぎ是正
2022年11月22日
-
中国:景気テコ入れ、本気モードは来春か
まだ続く政治の季節。新首相に花を持たせる?
2022年10月26日
-
習近平氏一強の中国はどこへ向かうのか
中国最高指導部入り、昇格の最低要件は「習近平総書記との近さ」
2022年10月24日
-
中国経済見通しに代えて
習近平氏「一強体制」の弊害と党大会「報告」経済分野のポイント
2022年10月20日
-
20回党大会、習・李氏は対立ではなく補完?
中台統一、共産党統治、共同富裕、強軍、イノベーション、改革開放
2022年10月17日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日