サマリー
◆2022年10月23日に開催された中国共産党第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)では、政治局委員、政治局常務委員、そして総書記の選出が行われた。腹心の部下だけで周りを固めた習近平氏「一強体制」が誕生し、3期目に突入したわけであるが、今後はその弊害が大いに懸念される。「一強体制」では、習近平氏が一度始めた政策がたとえ誤りであったとしても途中での軌道修正が難しくなる。さらに、忖度・忠誠合戦は、政策の立案・遂行が習近平氏の意図を超えて、あるいは意図に反して暴走するリスクをはらむ。
◆習近平氏は社会主義的な志向が強く、今後はこうした政策が強化される可能性が高い。経済・産業・企業に対する共産党・政府によるコントロール強化がキーワードになろう。昨年来のアリババ、テンセントなどへの規制強化や、民営デベロッパーをターゲットにした中国版総量規制の導入など、こうした動きは既に顕在化している。これでは経済や市場、企業の活力は失われ、閉塞感が強まりかねない。
◆2023年3月には国家機構の人事が行われる。李克強首相の退任は確定しており、序列2位となった李強氏が後任になる可能性が高い。李克強首相は、習近平総書記との間にある種の緊張感があり、時にブレーキ役・調整役を果たしたといわれる。しかし、次期首相にこうした役割を期待することは難しい。習近平総書記の方針は絶対であり、それに異を唱える、あるいは修正をすることは不可能と思われるためである。新首相の役割は、習近平氏の方針を正しく伝え、地方政府や省庁がそれから逸脱しないかに目を光らせる程度にとどまるのではないか。
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