サマリー
◆2019年の政府成長率目標は前年比6.0%~6.5%(以下、変化率は前年比、前年同月比)というレンジで提示される可能性が高く、2018年の6.5%前後から引き下げられることになろう。成長率目標が下げられること自体は問題ではない。既に中国は、2017年10月の党大会で経済の「中高速成長」を放棄し、「質の高い発展」を目標に掲げた。問題は中国経済が想定以上に減速するリスクが高まり、それを回避するために「質の高い発展」路線を堅持する余裕がなくなることである。
◆2019年の中国経済は投資への依存度を再び高める可能性が高い。1月の社会資金調達金額の急増はリスク含みの可能性がある。デレバレッジ(負債率引き下げ)が棚上げされ、負債率をさらに高めることは、将来的な金融リスクを一段と高めることに他ならない。もちろん、中国政府がこれをよしとしなければ、2月以降は出しすぎた分が調整される可能性がある。この場合は資金面の景気へのサポートが再び弱体化することになる。中国政府の経済政策運営のかじ取りの難しさは一段と増していよう。
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