サマリー
◆景気減速懸念が高まる中、7月23日の国務院常務会議は、①財政政策の一段の積極化、②金融政策の穏健中立から穏健への変更、③小型・零細企業へのサポート強化、④建設中のプロジェクトの資金手当て支援、といった景気サポート策を発表した。さらに、7月31日の政治局会議は、(1)経済の安定した健全な発展を維持し、積極的な財政政策と穏健な金融政策を堅持する、(2)「弱点の補強」をサプライサイドの構造改革の当面の重点に置き、インフラ分野の「弱点の補強」に注力する、などの方針を打ち出した。
◆今後は、金融リスク低減のためのデレバレッジ(負債率の引き下げ)を適度に継続しつつ、景気減速は緩やかなものにとどめる、というのがあるべき姿になろう。しかし、大和総研では構造改革が先送りにされ、地方政府の積極性がいたずらに刺激される可能性を懸念している。地方政府が望む「緩和」によって、景気減速に歯止めが掛かるだけでなく、加速する可能性すらある。しかし、その代わりに債務問題が一段と深刻化するのであれば、あまり質の良い話とは言えまい。
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