サマリー
◆国家統計局によると、2017年1月~3月の実質GDP成長率は前年同期比6.9%(以下、断りのない限り前年比もしくは前年同期比)と、0.1%ポイントずつとはいえ、2四半期連続で加速した。
◆1月~3月の小売売上は減速したが、同統計はモノに限定され、教育・医療、文化・娯楽、金融・保険といったサービスは含まれない。1月~3月の国民一人当たり消費支出統計では、教育・文化・娯楽消費支出などが大きく増加し、堅調な消費を支えている。
◆中国の景気は、消費を下支えに大きく下振れするリスクは限定的であるが、年後半には固定資産投資の鈍化を背景に、緩やかな減速が予想される。70都市の新築住宅価格上昇率は直近ピークである2016年11月、12月の10.8%から2017年3月は10.3%と、小幅ながらも鈍化した。3月中旬以降、各地方政府は一段と厳しい価格抑制策を相次いで発表しており、今後、価格の上昇ペースはさらに鈍化していこう。不動産開発投資は年後半には減速していく可能性が高い。インフラ投資に関連して、新規着工された固定資産投資プロジェクトの総投資計画額の推移を見ると、2016年前半に景気下支え策として国有部門のインフラ投資を中心にプロジェクトが一斉に認可されたが、足元ではその反動が出ているなど、先行きに不透明感が高まっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
-
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
-
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日
米金融政策を占うジャクソンホール会議の注目点は?
市場が期待するほどの大幅な利下げの示唆は期待しにくい
2024年08月16日
ハリス氏はトランプ氏に勝てるのか?そして、米国経済の行方は?
トランプ氏の優勢は継続、トランプ・リスクの発現は議会選挙とトランプ氏の匙加減次第
2024年08月02日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「国債買入減額」と「追加利上げ」が長期金利と経済活動に与える影響は限定的か
2024年7月金融政策決定会合で日銀は金融緩和の縮小姿勢を明確化
2024年07月31日
「適温」なドル円相場は130円台?
ただし10円の円高で実質GDPは0.2%悪化
2024年08月14日