サマリー
◆国家統計局によると、2012年の中国の実質GDP成長率は7.8%だった。成長率の8%割れは1999年の7.6%以来13年ぶりである。四半期ベースの実質GDP成長率は、7月~9月まで7四半期連続の成長率鈍化となったが、10月~12月にようやく上向いた。景気は2012年7月~9月に底を打ち、今後は緩やかに回復していこう。大和総研は、2013年の実質GDP成長率を8.3%程度と予想している。
◆2012年の主要統計発表会とそれに続く馬建堂国家統計局長の記者会見では、2つの数字が注目された。一つは、2012年の生産年齢人口(15歳~59歳)が、前年比345万人減少の9億3,727万人となったことであり、国家統計局の予想より1年早く減少に転じた。もう一つは、2003年から2012年のジニ係数が発表されたことである。馬建堂氏によると、中国のジニ係数は2008年の0.491をピークに低下傾向にあるとしているが、それでも2012年は0.474と、社会不安が高まる警戒ラインとされる0.4を超えた状態が続いている。少子高齢化への対応と所得分配改革の必要性は否応なく高まっていよう。
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