地域金融機関によるスタートアップへの資金供給(後編)

デット・ファイナンスの現状と地域金融機関に求められる対応

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サマリー

◆地域金融機関にはスタートアップの成長ステージや事業特性に応じたエクイティとデットの複合的な資金供給が求められる中、特にアーリーステージでは伝統的な融資審査体制が阻害要因となり、資金供給上の課題が顕在化している可能性がある。

◆一部の地域金融機関では、ベンチャーデットの活用やメザニン性の金融商品の導入、エクイティ投資家目線での審査体制構築等が進む一方、これらが整備されていない金融機関では、通常の融資とベンチャーデットで求められるノウハウが乖離しているため、専門人材の育成・確保が課題となっている。

◆地域金融機関が十全なリスクマネー供給機能を発揮するためには、旧来の審査体系を刷新し、企業価値担保権制度の活用や多様な金融商品の整備を通して、引き受けるリスクに見合った適正リターンを確保する構造への転換が必要である。

◆専門人材の育成に向けては、金融庁や全国銀行協会等の公表資料を活用しつつ、本部主導でのナレッジ集約やファンド出向等を推進し、専担部署の有無にかかわらず組織的かつ体系的に人材投資を拡大する戦略的アプローチが強く求められる。

◆地域金融機関は、スタートアップに対して能動的な情報開示を促し、強固なリレーションシップを構築するとともに、ノンバンク社債法の改正等を見据えて外部ファンド等との多様な主体間連携を深め、成長段階に応じたシームレスな資金供給体制を確立することが重要となる。

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