2018年08月15日
サマリー
◆株式を保有している公的機関として、日本銀行、銀行等保有株式取得機構、預金保険機構の3つが挙げられる。株式保有額の合計は2018年3月末時点で6.9兆円である(時価ベース)。
◆日本銀行は2016年4月から株式の市中売却を再開している。2017年度に日本銀行が売却した株式は簿価ベースで1,417億円となっている(売却損益を考慮すると、時価ベースで3,375億円程度とみられる)。銀行等保有株式取得機構も2017年11月に市中売却を再開しており、2017年度には発行会社の自社株買い等を合わせて、合計523億円の株式処分を行っている。預金保険機構は現時点で株式の市中売却再開を公表していない。
◆公的機関の株式保有は一時的な対応として行われたものであり、長期保有を前提としたものではない。市場への影響に配慮する必要はあるが、現状株価は高水準で推移しており、市中売却は着実に進めていくことが望ましい。
◆なお、日本銀行はETFも保有しており、この残高は2018年3月末時点で20兆円を超えた。当面の間、ETF保有残高の増加が予想される。しかし、株価形成や株式需給に影響すること、金融緩和政策終了後の処分が困難であること、仮に損失が生じれば国庫納付金の減少につながることなどから、保有残高の増加はできる限り抑えることが望ましい。
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