2018年02月08日
サマリー
◆2018年1月以降、ビットコイン価格が下落に転じた一因として、中国における仮想通貨への規制強化報道が挙げられる。中国当局は過去に国内の仮想通貨取引を禁止するなど規制を強化してきたが、中国の投資家は、香港などで取引される仮想通貨USDTを経由してビットコイン等に投資を行っており、ビットコイン市場に依然として影響力を有している。今回の規制強化の報道内容が、「抜け道」への対策であったことから、ビットコイン相場に影響を与えた。こうした規制強化報道に加え、ボラティリティの高くなりやすいビットコイン先物の満期が初めて到来したことも、ビットコインの下げ幅を大きくしたと言える。
◆仮想通貨に対する規制強化の機運は、世界中に広がっている。3月に開催されるG20 では、仮想通貨の規制強化が議論される予定である。規制強化は、投資家が安心して仮想通貨を取引できる環境を整備するものであり、中長期的には仮想通貨への信頼を向上させ得るものである。ただし、短期的にはビットコイン相場に対する規制強化の影響に留意する必要があるだろう。
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