2016年09月01日
サマリー
本稿では、仮想通貨の特徴や発展の背景、課題や政策対応について整理し、仮想通貨が既存の経済・金融システムにどのような影響を与えるのかという点について考察する。
Fintechが関心を集める中、鏑矢的存在である仮想通貨よりもそれを支える技術であるブロックチェーンに対する期待度が高まっている。しかし、仮想通貨の発展可能性も軽視するべきではない。仮想通貨が発展したのは既存の金融システムに様々な課題が存在し、それを解決し得る一手段として期待されたからである。例えば、仮想通貨は中央主体に依存しないブロックチェーン技術という決済・送金システムに基づいており、既存の中央主体に基づく決済・送金システムに比べて低コストの決済・送金が可能となる。他方で、仮想通貨に対する期待度が相対的に高まらないのは、仮想通貨が有するリスクや限界が存在することも示している。限界とは、新たな決済・送金システムが、既存のシステムとの間に利害関係を生じさせ得ることだ。
このような可能性と限界の混在は、仮想通貨に限ったことではなく、多岐にわたるFintechに共通することである。Fintechの将来を占う上でも、仮想通貨の動向が注目される。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
CGコードでの上場会社と投資家の注目点は?
CGコードのパブリックコメントの結果から読み解く
2026年08月20日
-
中央銀行の透明性比較と熟議・説明責任の均衡点
ウォーシュ・レビューで読み解く中央銀行コミュニケーションの進化と再検討(下)
2026年08月14日
-
“Never explain, never excuse”から透明性へ
ウォーシュ・レビューで読み解く中央銀行コミュニケーションの進化と再検討(上)
2026年08月14日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

