2017年12月28日
サマリー
◆ビットコインの交換レートが1万米ドルを超えるなど、仮想通貨に対する熱は2017年以降急激に高まった。他方で、違法行為の支払いやハッキングによる資金流出などをきっかけとした価格変動の大きさも注目された。また、分裂騒動などによって、ビットコイン、ひいては仮想通貨の将来は見通しにくい。本稿では、主にビットコインを取り上げ、仮想通貨の「いま」を分析し、仮想通貨の「これから」を考える。
◆ビットコインの価格決定メカニズムは、需給の影響を受けやすい構造となっている。2017年以降、ビットコインの分裂騒動とICOの盛り上がり等を契機に、ビットコインの価値は急上昇した。最近のビットコイン相場と過去のITバブルを比較すると、ビットコインの価格の上昇速度はITバブルを越え、価格水準(PER)も高水準であることがわかった。
◆では、ビットコインの盛り上がりは金融システムにどのような影響をもたらすのだろうか。ビットコイン先物の登場は、限月交代時にビットコインの価格変動を増幅させる可能性がある。そして、ビットコインの価格変動の影響はビットコインに留まらず、他のリスク資産の売買にも影響を与えうる。つまり、ビットコインの金融システムにおける影響力は軽視できない、と言える。
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