9月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

良好な資金調達環境も資金繰り判断DIは改善せず。

RSS

サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2014年9月調査結果が発表された。企業金融関連では、資金繰り判断DIは前回調査と同じ10%pt、金融機関の貸出態度判断DIは前回調査から2%pt高い17%pt、借入金利水準判断DIは前回調査から2%pt低い-8%pt(最近)となった。


◆金融機関の貸出態度や足元の借入金利水準からは、企業にとって資金調達しやすい環境であったことが確認されたが、資金繰りについては改善がみられなかった。設備投資の増加や雇用確保のための費用など、支出の増加などが背景にありそうだ。


◆国債金利は長期的に低下しているが、近年では国債金利ほど金融機関の貸出金利は低下していない。わずかながら両者の金利差は拡大傾向にあり、企業の実質的な借入金利は上昇している可能性がある。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート