不平等・社会関連財務情報開示タスクフォース(TISFD)の第一草案を読む

「社会(S)」情報開示の新たな展開が日本企業に示唆すること

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  • 金融調査部 主任研究員 中 澪

サマリー

◆不平等・社会関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Inequality and Social-related Financial Disclosures: TISFD)が、情報開示フレームワークの第一草案を公表した。TISFDは、社会的不平等に起因して企業や金融機関が直面するリスクと機会についての情報開示フレームワークの開発に取り組んでいる。

◆第一草案では、一般要求事項(general requirements)として「マテリアリティ」、「システムに関連した情報」、「ステークホルダー・エンゲージメント」、「範囲」、「時間軸」が提案された。また、開示推奨項目(disclosure recommendations)の柱として「ガバナンス」、「戦略」、「影響とリスク管理」、「指標と目標」が示された。

◆TISFDの第一草案は、企業に対してシステムレベルのリスクを捉える必要性を主張している。また、ステークホルダー・エンゲージメントの深化を求めている。多くの日本企業にとってTISFDは、「社会(S)」関連の取組みと情報開示のあり方について、戦略的な再考を促すきっかけになるといえるかもしれない。

◆企業は、既存の国際基準に整合的な実務の蓄積を進めることで、TISFDへの対応に向けた準備ができると考えられる。ただし、当面は2027年半ばまで続く草案作成の各段階で、その内容を把握・検討することになるだろう。TISFDをめぐっては、今後もその動向に注目し、情報開示に対する示唆を見極めていく必要がある。

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