2026年07月07日
サマリー
◆不平等・社会関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Inequality and Social-related Financial Disclosures: TISFD)が、情報開示フレームワークの第一草案を公表した。TISFDは、社会的不平等に起因して企業や金融機関が直面するリスクと機会についての情報開示フレームワークの開発に取り組んでいる。
◆第一草案では、一般要求事項(general requirements)として「マテリアリティ」、「システムに関連した情報」、「ステークホルダー・エンゲージメント」、「範囲」、「時間軸」が提案された。また、開示推奨項目(disclosure recommendations)の柱として「ガバナンス」、「戦略」、「影響とリスク管理」、「指標と目標」が示された。
◆TISFDの第一草案は、企業に対してシステムレベルのリスクを捉える必要性を主張している。また、ステークホルダー・エンゲージメントの深化を求めている。多くの日本企業にとってTISFDは、「社会(S)」関連の取組みと情報開示のあり方について、戦略的な再考を促すきっかけになるといえるかもしれない。
◆企業は、既存の国際基準に整合的な実務の蓄積を進めることで、TISFDへの対応に向けた準備ができると考えられる。ただし、当面は2027年半ばまで続く草案作成の各段階で、その内容を把握・検討することになるだろう。TISFDをめぐっては、今後もその動向に注目し、情報開示に対する示唆を見極めていく必要がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
実運用段階に入った国連管理型カーボンクレジットの利用可能性
供給制約と利用制度の要件を踏まえたクレジット活用の視点
2026年09月04日
-
2026年3月期有報の人的資本開示②
「従業員給与等の決定方針」に何が書かれていたか
2026年08月17日
-
ボランタリー・カーボン市場(VCM)の動向と国際取引の課題
高品質クレジットの流通を支える市場・制度基盤の整備
2026年08月14日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

