移住労働者を権利保持者として迎える

ポスト技能実習制度の人権尊重に向けた日本企業の責任

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2026年05月27日

  • 金融調査部 研究員 中 澪

サマリー

◆「外国人技能実習制度」(技能実習制度)は、技術移転と国際貢献を目的として1993年に創設された。しかし、制度目的から大きく乖離した利用実態が長らく是正されなかったことに加え、人権侵害の温床として国内外から厳しい批判を受けてきた。その技能実習制度が段階的に解消され、2027年4月より育成就労制度が開始される。

◆育成就労制度の目的には人材の育成と確保が掲げられ、制度目的が実態に即した形に改められた。また、一定の条件を満たせば転籍が可能となったほか、送出・受入環境の適正化が図られるとされている。しかし、国際社会からはなお、制度にみられる人権上の問題が指摘されている。

◆すでに日本の地域産業や地域社会において移住労働者が不可欠な役割を発揮しているなかで、その人権は十分に守られてこなかった。移住労働者を単なる労働力とみなすのではなく、同じ会社・社会の一員であるひとりの人間であり権利保持者(ライツホルダー)として平等に処遇し、その権利を保障する必要がある。

◆移住労働者の人権尊重に向けては、日本国内のサプライチェーンにおける人権侵害リスクの特定や評価が重要になると考えられる。技能実習制度の反省を踏まえ、日本国内の人権侵害リスクに対する認識が広まるとともに、人権尊重に向けた実質的な取組みが日本企業全体に拡大することが期待される。

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