2009年上半期ガバナンス回顧(4) アルプス電気の定款変更議案が否決

上場企業には株主の論理を踏まえた上で、その理解を得ることが求められる。

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2009年07月31日

  • 藤島 裕三

サマリー

◆アルプス電気の株主総会で定款変更議案が否決された。株式取扱規定の内容に関する変更が、株主権の行使を制限する意図があるのではないかと、一部株主に懸念された可能性がある。

◆今総会シーズンに投資家が注目していたのは、株主提案議案に字数制限を設ける動きである。これを株式取扱規定で定めるため、相当数の企業が定款変更議案を上程した模様である。

◆同社コメントからは株式取扱規則に株主権行使を制限する定めは含まれないと解釈できる。それでも定款変更が否決されたことは、株主が自らの権利に敏感になっていることを表わす。


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2009年上半期ガバナンス回顧(3)  ローム株主総会で株主提案が否決
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2009年上半期ガバナンス回顧(4)  アルプス電気の定款変更議案が否決
~アルプス電気の定款変更議案が否決~

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