2009年上半期ガバナンス回顧(3) ローム株主総会で株主提案が否決

約3割の賛成票はあったものの、会社側による株主重視の姿勢が評価された。

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2009年07月24日

  • 藤島 裕三

サマリー

◆ブランデスがロームに自社株買いを求めた株主提案が否決された。報道によるとロームは株主に説明を尽くしており、これまでの株主還元と併せて真摯な姿勢が評価されたと考えられる。

◆その一方で約3割の賛成票が集まったことは、株主提案にも一定の説得力があった証左かもしれない。株主の目は着実に厳しくなっていること、上場会社は留意する必要があるだろう。

◆ファンドによる株主提案は急減しており、事前の話し合いで何らかの施策を引き出すことが主流になっている。今回のブランデス提案についても、交渉手段であった可能性はあるだろう。


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2009年上半期ガバナンス回顧(3)  ローム株主総会で株主提案が否決
~約3割の賛成票はあったものの、会社側による株主重視の姿勢が評価された。~


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