サマリー
◆電気等の住民が生活する上で必要な基礎的インフラについては事業者に供給義務等が課され、全国隅々まであまねく利用できるよう制度が整備されている。“交通”についても必要な基礎的なインフラとして捉えることができるが、現状は公共交通空白地域が居住地の約30%(バス500メートル、鉄道1キロ圏で定義した場合)にも上る。
◆居住者の移動については、自家用車の普及により格段に容易となったものの、運転免許の非保有者は日本の総人口の約3分の1に達する。こうした人々には公共交通機関は必要不可欠であり、環境負荷の低減や歩行機会の増加を通じて健康面からも期待される。
◆しかし、長期的な公共交通機関の利用者数の減少に伴い事業者の経営は厳しく、規制緩和以降、路線の廃止が相次ぐ状況にある。公的支援を切り離して考えれば、運賃の大幅引き上げが困難な中では利用者数の増加以外の経営改善策は考えにくい。
◆自治体の支援を通じた公共交通機関の機能維持も選択肢に入ってくるが、財政負担を伴うことから、地域住民自身が考え協議する場が必要となる。その中で、長期的な視点から、地域が守るべきもの、変えるべきものについて慎重に検討することが肝要である。
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