2026年08月03日
サマリー
◆政府は、企業・保険者による健康投資額の倍増を掲げ、その需要を喚起する施策としてデータヘルスを重視している。健診・レセプト等のデータから健康課題を明確にすることで、企業や保険者が課題に即した保健事業やヘルスケアサービスを選択しやすくなるからである。また、政府は、効果の高い保健事業を抽出・共有し、予防・健康づくりを全国的に底上げする「予防医療モデル」の構築も進める方針である。
◆データヘルスの実効性を高めるには、保険者と企業が連携するコラボヘルスが鍵となる。保険者によるレセプト等の分析に基づく効果的な保健事業と、企業による働き方や職場環境の改善を一体的に進めることで、従業員の行動変容につなげることができる。PHR(Personal Health Record)サービスについても、導入することで得られたデータを健康課題の把握、施策の効果検証、改善に生かすことが重要である。
◆さらに、健康経営を組織全体に定着させるには、経営トップ・経営層の実質的な関与が欠かせない。健康課題と経営課題の関係、経営資源の配分、成果指標を議論するとともに、専門職や従業員代表等の知見を取り入れ、課題の把握から施策の検証・改善までを一貫して主導することが重要である。こうした取り組みが、健康経営を戦略的な人材投資として機能させ、従業員のウェルビーイングを高めるとともに、人材の確保・定着や生産性の向上を通じて、企業価値の向上につながると考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
企業が今取り組むべき健康施策のポイント(前編)
2026年度健康経営度調査にみる重点施策の方向性
2026年07月28日
-
高市政権のイノベーション政策の論点
テキスト分析でみる「統合イノベーション戦略2026」
2026年07月22日
-
積極的なR&D投資に踏み込めない日本企業
企業の保守的行動が危機管理投資・成長投資への懸念材料?
2026年07月15日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

