国税庁が非上場株式評価の方向性を公表

簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向

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2026年09月08日

サマリー

◆「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」において、相続・贈与における非上場株式の評価方法の見直しについて議論されている。2026年8月20日の第5回有識者会議では、国税庁が改正の方向性を公表した。

◆現行制度では、原則として純資産価額方式・類似業種比準方式・併用方式によって評価を行う。類似業種比準方式及び併用方式は、純資産価額方式よりも評価額が相当程度低く算定されている状況にあることが問題視されていた。

◆有識者会議の議論を踏まえ、国税庁は評価方式を簿価純資産に収益力(数年分の超過収益)を加減して算定する「残余利益方式」に原則一本化する方向性を示した。純資産価額方式は、一定の修正を行った上で、特定の評価会社の評価方法として用いる案を示した。

◆残余利益方式では、純資産価額方式や併用方式で必須であった不動産等の時価評価が原則不要になることで納税者等の事務負担が軽減される。一方、類似業種比準方式で可能だった配当額や利益水準の操作による評価額の引下げは困難になる。

◆仮に残余利益方式に一本化された場合、類似業種比準方式を採用できる「大会社」お及び、併用方式における類似業種比準方式のウエイトが高くなる比較的大規模な法人ほど、評価額が現行より高くなると考えられる。

◆また、残余利益方式では、含み益が生じている資産は時価より低く評価される一方、含み損が生じている資産は時価より高く評価されることとなる。資産の簿価と時価のかい離は、特に不動産、有価証券、保険契約などで生じやすいと考えられる。制度改正は非上場会社の事業承継計画やタックスプランニングに影響を及ぼす可能性もあり、今後の動向に留意する必要がある。

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