2026年08月31日
サマリー
◆2026年6月5日、経済産業省が日本で初めてのファミリーガバナンスに関する公的指針である「ファミリーガバナンス・ガイダンス」を公表した。本稿では、ファミリーガバナンス・ガイダンスで示された内容を踏まえて、円滑な事業承継のために求められる要素を整理する。
◆事業承継にあたっては、「株式・経営の承継」「ファミリー内の意思決定」「後継者の育成」の観点が必要になるだろう。株式には財産と経営権の2つの意義があり、それぞれにつきファミリーの内外を問わず承継方法を検討すべきだ。また、ファミリービジネスにおいては、ビジネスの観点にとどまらずファミリーとしての意思決定も必要になる。後継者の選定に際しては明確な基準が求められるほか、先代経営者の事業への関わり方も含めて、育成していく視点も意識しなければならない。
◆株式の移転を伴う事業承継では節税に意識が向きやすい。非上場株式の財産評価の見直しや事業承継税制など、事業承継に関連する税制で議論が行われているものがあるため注意が必要だ。
◆一方で、節税が目的化すると関係者の納得が得られない事業承継になる恐れがある。節税はあくまで手段であることを意識し、ビジネスとファミリーの両方の将来像を見据えて、実現に向けた方策を検討すべきだ。
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