サマリー
◆自由民主党・日本維新の会が決定した「令和8年度税制改正大綱」では、貸付用不動産の財産評価の見直しが示された。租税回避の事例が確認されていることから、評価の適正化や課税の公平性を図る意図がある。
◆一般的に、相続税評価額の性質上、不動産は評価額が時価よりも軽減されることが多い。特に、貸付用不動産においては、一般に稼働率が高い(空室率が低い)ほど時価が高くなりやすい一方、相続や贈与の際の財産評価においては借家人の支配権による利用の制約等を考慮した評価の軽減が行われやすい。こうした時価と評価額の差に着目した節税スキームが当局から問題視されていた。
◆大綱では、課税時期前5年以内に取得した貸付用不動産について時価評価とすることが示された。この改正が実現されると、相続直前に駆け込み的に貸付用不動産を取得したとしても税額の圧縮効果は大幅に小さくなると見込まれる。
◆加えて、貸付用不動産を対象とする一定の不動産小口化商品(不動産特定共同事業契約または信託受益権に係る金融商品取引契約)は取得の時期にかかわらず時価評価となる。改正が実現した場合、2027年1月1日以降の相続等から適用される。
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