一本化後の四半期決算短信の開示状況

レビューの実施状況や提出時期を集計・分析

RSS

サマリー

◆2024年4-6月期から、四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の提出が始まっている。本稿では、プライム・スタンダード・グロース市場上場会社のうち計342社を対象に、2024年8月15日までに提出された第1四半期・第3四半期決算短信の開示状況を集計・分析している。

◆四半期報告書廃止後の四半期決算短信の提出時期については、前年の四半期決算短信とおおむね同時期に提出している企業が多く、提出時期の平均は決算期末後約35日だった。四半期決算短信の開示項目は増えているが、四半期報告書の廃止によってその分負担は軽減しており、従来通りの時期に提出されたと考えられる。

◆任意でレビューを行っていた企業は全体の約3割(106社)だった。プライム市場だけではなく、スタンダード・グロース市場の上場会社でも任意でレビューを行っていた企業は一定数見られた。

◆任意でレビューを行っていた企業のうち、約四分の一がレビュー完了前に四半期決算短信を提出し、レビュー完了後に改めて期中レビュー報告書とともに四半期決算短信を提出していた。投資家などが重視する速報性のある情報開示を行いつつ、レビューに対するニーズにも応えることができ、任意のレビュー実施を検討する企業においては選択肢の一つとなり得る。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート