2023年01月04日
サマリー
◆令和元年改正会社法により株主総会資料の電子提供制度が始まる。この制度は、2023年3月1日以降に開催される上場会社等の株主総会の資料を、原則として株主総会日の3週間前までに、紙ではなく電子的に提供する制度である。本来は任意で定款変更を行い、本制度を利用することを定款で定めている会社が対象である。ただし、上場会社等は法令の下、実質的に本制度の強制適用を受けることになる。
◆本制度適用開始前(2021年9月~2022年8月開催の株主総会を対象)のTOPIX500採用会社において、株主総会資料を株主総会日の3週間前には東証上場会社情報サービスに掲載していた上場会社は、全体の89%であった。また、本制度適用のための定款変更決議をすでに株主総会に付議した上場会社は、全体の95%であった。
◆大多数の上場会社が株主総会日の3週間前には株主総会資料を電子的に掲載しており、本制度の適用開始によって株主総会情報の早期発送などに対応できない上場会社が続出するといった大きな混乱が生じる可能性は低い。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
株主総会資料の電子提供制度開始①
2023年3月1日以降の上場会社の株主総会では原則電子提供に
2022年12月20日
-
会社法改正法、成立
株主提案権について修正
2019年12月12日
-
会社法制(企業統治等関係)要綱案② 株主総会関係の見直し
株主総会資料の電子提供、株主提案権の制限など
2019年02月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
日本版スチュワードシップ・コード改訂
5年ぶりの改訂の目的は協働エンゲージメント推進と実質株主把握
2025年06月27日
-
株主優待設計の際に考慮すべき法的論点
配当とみなされないようにした上で、株主平等原則に配慮した設計を
2025年06月17日
-
英国スチュワードシップ・コードの簡素化
機関投資家のコード対応における負担を軽減、開示事項の削減
2025年06月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日