「資産所得倍増プラン」により家計の資産形成は大きく前進する見通し

年末に向けた焦点はNISAの年間・累計非課税枠の金額に

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2022年12月08日

  • 金融調査部 主任研究員 是枝 俊悟
  • ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 藤原 翼

サマリー

◆2022年11月28日に、内閣官房に設置された新しい資本主義実現会議は、「資産所得倍増プラン」(以下、プラン)を決定した。プランでは、当面の目標として、NISAの総口座数とNISAにおける累計買付額を5年で倍増させることを掲げた。

◆プランでは目標を実現するために、NISAの抜本的拡充や恒久化を行うとともに、投資未経験者を投資に踏み出せるようにするための政策などと合わせ「7本柱」の取組を一体として推進するとした。第1の柱として掲げられたNISAの恒久化と非課税保有期間の無期限化はほぼ確実となり、有価証券投資の普及に向けた大きな前進である。なお、NISAの年間・累計の非課税枠の金額や、つみたてNISAと一般NISAの併用が認められるか否か等の詳細な制度設計は年末までに結論が出る見通しである。

◆恒久化と非課税保有期間の無期限化により、NISAはシンプルで理解しやすい制度となる。これに加えて、プランに掲げられた、消費者への中立的なアドバイス提供の仕組み、雇用者に対する資産形成の強化、金融経済教育の充実、顧客本位の業務運営の確保と合わせて、投資未経験者を投資に踏み出せるようにすることが重要となる。

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