サマリー
◆2022年11月28日に、内閣官房に設置された新しい資本主義実現会議は、「資産所得倍増プラン」(以下、プラン)を決定した。プランでは、当面の目標として、NISAの総口座数とNISAにおける累計買付額を5年で倍増させることを掲げた。
◆プランでは目標を実現するために、NISAの抜本的拡充や恒久化を行うとともに、投資未経験者を投資に踏み出せるようにするための政策などと合わせ「7本柱」の取組を一体として推進するとした。第1の柱として掲げられたNISAの恒久化と非課税保有期間の無期限化はほぼ確実となり、有価証券投資の普及に向けた大きな前進である。なお、NISAの年間・累計の非課税枠の金額や、つみたてNISAと一般NISAの併用が認められるか否か等の詳細な制度設計は年末までに結論が出る見通しである。
◆恒久化と非課税保有期間の無期限化により、NISAはシンプルで理解しやすい制度となる。これに加えて、プランに掲げられた、消費者への中立的なアドバイス提供の仕組み、雇用者に対する資産形成の強化、金融経済教育の充実、顧客本位の業務運営の確保と合わせて、投資未経験者を投資に踏み出せるようにすることが重要となる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
NISAの抜本的拡充による中間層の資産所得向上効果の試算
「中間層の資産所得倍増」実現には、非課税枠を現状の3倍とする必要
2022年08月24日
-
金融庁のNISA抜本的拡充要望と今後の展望
非課税枠の水準によっては中間層の資産所得倍増を達成し得る内容
2022年09月02日
-
NISAの「累計投資額の上限」をどのように設定すべきか
諸外国の制度や日本における資産形成の目標水準をもとに検討
2022年10月13日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
日本経済見通し:2025年1月
2025~34年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2025年01月24日
-
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定
2025年以降の株主総会に適用する助言方針改定はほぼ既報の通り
2025年02月04日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
日本経済見通し:2025年1月
2025~34年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2025年01月24日
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定
2025年以降の株主総会に適用する助言方針改定はほぼ既報の通り
2025年02月04日