新規株式公開(IPO)における価格設定プロセスの見直し

公開価格WG報告書を受けた規則改正等の内容を整理する

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サマリー

◆2022年6月に、日本証券業協会の規則改正等が行われた。規則改正等の主なポイントは、「有価証券の引受け等に関する規則」の改正によるオーバーアロットメントの上限数量の明確化や、「親引けガイドライン」の改正による親引け可能な事例の明確化である。

◆今回の規則改正等は、2021年6月に閣議決定された「成長戦略実行計画」や日本証券業協会が2022年2月に取りまとめた「『公開価格の設定プロセスのあり方等に関するワーキング・グループ』報告書」を受けて、日本のIPOにおける「初値と公開価格の乖離」という問題に対する改善策の一部を実施するものである。

◆規則改正等は2022年6月に行われ、7月1日より施行された。今回実施されなかった事項としては、仮条件の範囲外での公開価格決定を可能とすることや、上場日程の期間短縮・柔軟化等の改善策があり、これらは11月に対応が行われる予定だ。

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