2019年04月10日
サマリー
◆2019年1月、バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委)が「マーケット・リスクの最低所要自己資本」と題する最終規則を公表した。2009年に開始した「トレーディング勘定の抜本的見直し」を完了させるものであり、見直しは2022年1月1日から適用予定である。
◆最終規則は、トレーディング勘定と銀行勘定間の裁定取引を制限するため、両勘定の境界を見直し、個別の商品がどちらの勘定に計上されるかについて明確化している。
◆所要自己資本額の算出方法に関して、標準的方式に感応度方式を導入し、内部モデル方式に、テイル・リスクを捕捉する期待ショートフォール・モデルを導入している。さらに、簡素で小規模なトレーディング勘定を有する銀行向けに、簡易的な手法を導入している。
◆バーゼル委の分析では、見直しによりマーケット・リスクに係る所要自己資本額が21.7%増加する見込みだが、マーケット・リスクに係る所要自己資本額が自己資本比率の分母全体に占める割合は5.3%にとどまっている。これを前提とすると、自己資本比率の分母全体は約1.2%増加するのみであり、銀行の自己資本比率の水準に与える影響は必ずしも大きくないと考えられる。
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