2013年02月18日
サマリー
◆2013年1月30日、金融庁は、金融機関の自己資本比率規制に関して、国際統一基準行を対象として、「第三の柱」(市場規律)に係る告示(開示告示)の一部を改正する案(開示告示改正案)を公表している。
◆開示改正告示案は、国際統一基準行に対し、2013年3月31日から、バーゼルⅢを導入するための「第一の柱」(最低所要自己資本比率)に係る告示(自己資本比率告示)の改正(2012年3月30日公布)(改正自己資本比率告示)が適用されることを受け、所要の改正を加えることを提案するものである。
◆改正の提案に当たっては、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が、2012年6月26日に、バーゼルⅢに基づく銀行の新たな自己資本の開示事項を定める国際合意文書(「資本構成の開示要件」)を公表したことを受け、これを踏まえた内容となっている。
◆金融庁は、2013年3月1日まで開示告示改正案に対する意見を募集する。そして、ここで得られた意見を基に策定される正式な開示告示を、改正自己資本比率告示と合わせて、2013年3月31日から適用する意向としている。
◆なお、開示告示改正案はあくまでも国際統一基準行を対象としており、国内基準行については、「当分の間」、従来通りの開示告示が適用される。もっとも、金融庁は2012年12月12日に「国内基準行向けバーゼルⅢ」に係る自己資本比率告示の改正案を公表しており、これを2014年3月31日から適用する意向としていることから、国内基準行についても、開示告示の改正がこれに合わせてなされることが予測される。
◆開示告示改正案の要点は、(現行の開示告示では定量的な開示事項の一部として扱われている)自己資本の構成に関する事項が独立の開示事項として取り扱われている点、(連結)貸借対照表の(各科目の額及びこれらの)科目が自己資本の構成に関する開示項目のいずれに相当するかについての説明(定性的な開示事項)及び自己資本調達手段に関する契約内容(四半期の開示事項)が新たな開示項目として追加されている点にあるものと考えられる。
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