米銀資本規制の見直し案、大幅な規制緩和へ

住宅ローン・中小企業向け融資の促進、FRTBは「資本フロア」なし

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2026年04月24日

  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2026年3月19日、連邦準備制度理事会(FRB)・連邦預金保険公社(FDIC)・通貨監督庁(OCC)は共同で、米国の銀行に対する資本規制の見直しに係る公開草案を公表した(意見募集期限は6月18日)。

◆公開草案の要点は、①「G-SIBサーチャージ」、②「中小企業向け融資」、③「FRTB」、及び④「住宅ローン・MSA」の4点において、緩和的な見直し又は導入が提案されていることである。①②④(緩和的な見直し)は景気喚起策、③(緩和的な導入)は大手銀行のトレーディング領域におけるリスクテイクの拡大を後押しするもの、と位置づけることが可能である。

◆FRBスタッフは、公開草案が所要CET1にもたらす定量的影響として、「カテゴリーⅠ・Ⅱ」の大手銀行については「2.4%減」、「カテゴリーⅢ・Ⅳ」の大手銀行については「3%減」、その他の非大手銀行については「7.8%減」と見積もっている。

◆公開草案は、前民主党政権下の提案を退けた銀行業界にとって、大勝利といえよう。それは、定量的影響から一目瞭然である。

◆報道によると、公開草案がそのまま適用された場合、36行の銀行が合計で最大3,200億ドルの余剰資本を抱えることになる見込みで、これは現時点の余剰資本である2,660億ドルから20%以上の増加であるという。

◆こうして解放される資本を用いて、融資を拡大すれば、プライベート・クレジット企業やノンバンク系住宅ローン事業者に奪われてきたシェアを奪還することが可能となろう。

◆公開草案の適用時期は不透明だが、早ければ年内に最終化され、2027年1月からの適用もあり得るだろう。

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