サマリー
◆2024年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.8%と、市場予想(Bloomberg調査:同+2.0%)を上回り、2024年1-3月期から加速した。内訳を見ると、屋台骨である個人消費が加速した。また、住宅投資はマイナスに転じた一方で、設備投資は加速した。その結果、米国経済の自律的な成長を反映する民間最終需要(個人消費、設備投資、住宅投資の和)は同+2.6%となった。米国経済は引き締め的な金融政策が続く中でも、内需中心に堅調さを維持したと評価できる。
◆下半期の実質GDP成長率については、緩やかに減速するとみている。雇用環境の悪化が緩やかなものにとどまることで、個人消費は底堅く推移することが予想される。設備投資や住宅投資といった金利に敏感な需要項目については、目先は引き締め的な金融政策の継続で抑制されやすい一方、年内に利下げが開始されることにより徐々に回復していくとみられる。
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