サマリー
◆2023年6月13日・14日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、市場の予想通り金利は据え置きとなった。しかし、FOMC参加者の金利予想であるドットチャートの2023年末中央値が0.50%pt引き上げられるサプライズが起きた。7月25日・26日の次回FOMCで、早くも利上げが再開される可能性がある。他方、ドットチャートに対して、市場参加者の年内利上げの折り込みは、0.25%ptに留まる。こうした予想の乖離はままあるが、過去を見れば両者の見通しは収斂していくことが多く、今後の経済指標やFOMC参加者の発言を通じて見解のすり合わせがなされていくことが想定される。
◆経済指標としては、5月のコアPCE価格指数(6月30日公表)、6月の雇用統計(7月7日公表)の賃金上昇率及びCPI(7月12日公表)が注目される。とりわけコアPCE価格指数や賃金上昇率は、利上げを回避するのであれば一層の減速が望まれるが、これまでを振り返れば減速ペースは緩やかといえる。またCPIに関しては、サービス価格の減速が本格化していくかがカギを握ることになる。
◆加えて、経済指標に対するFOMC参加者の見解も注目されるが、FOMC参加者のスタンスもそれぞれ異なることから、指標の解釈にもばらつきが生じ、市場はFOMC参加者の発言に対して一喜一憂することになるだろう。銀行不安を経験し、市場や人々が不確実性に対して敏感になっている中で、市場や人々が混乱すれば、3月の銀行不安の時のように、景気や金融政策の見通しは一層不透明になる。FOMCが市場と慎重にコミュニケーションができるかが、秩序あるインフレ減速のプロセスを進める上で重要となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米GDP 前期比年率+3.4%と加速
2026年7-9月期米GDP:内需、特に設備投資が強い
2026年10月30日
-
中間選挙後の注目点②:「変わらない供給制約」
供給制約はAI活用を促すが、米国経済にとって全体最適とは限らない
2026年10月30日
-
FOMC 明確さを待つために様子見
FOMCはインフレ高止まり、景気下振れ、金融面のリスクに直面
2026年10月29日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

